写真館まで/天野茂典
 



 わたしの
 (血
 をつれて
 写真館まで
 (たましい
 の
 肖像を撮るために
 ふるえている
 指
 があるのだ
 曇り空のなかのちいさな夕焼け
 マンションにかかって
 (血
 はとまらないのだ
 ながれているドブ川のように
 (アンダルシア
 スペイン市民戦争で殺された
 フェデリコ・ガルシア・ロルカ
 抵抗する
 (縄
 詩人のたましいは結ばれたのだ
 フランコ将軍をうちたおすために
 スペインの土はあかいのだ
 銃殺された死骸は
 朽ちて
 詩
 になった
 わたしの
 (血
 は
 アルハンブラ宮殿の庭に溢し
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