青色のペンキ/
アマメ庵
窓の木枠に青色のペンキ
オンボロの家は銀河鉄道になって
向かいの家は星になった
色あせた畳に青色のペンキ
ぼくの部屋は海に変わって
波の上を歩いていた
打ち捨てられた大八車
忘れ去られた道路標識
ぼくは青色のペンキを使って
空に返してあげたんだ
ある日ペンキがボコボコと
缶の淵から溢れてきた
ぼくは あっという間に飲み込まれた
その日ぼくは
濡れた布団で目を覚ます
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