休日/オイタル
ゆがんだ
細長い背もたれのいすに座って
ぼくたちは半日を
大きな絵のように過ごした
首筋を汗が
降りていく牧場で
太陽が庇の縁をなぞって
ゆっくりと半円を描き
ぼくたちは昏い絵のように
その下に宿った
眠る犬が無駄吠えを控える朝
鶏がのけぞって細く血を流す十時
死を眺めながら
あなたはアイスクリームを
裏返してはなめ
ぼくはそれを
嫌な眼で見ていた
光るコップに
炭酸の泡と
ストローの当たる音を聞きながら
そして 時は傾く
正午の災いが
牛たちの運命をシルエットにして
牛舎の傍らに
静かに身を潜めている
あなたは最後の
アイスクリームを掬い上げ
ぼくはそれを
半眼で見ていた
明日のことや砂浜のことを少し
思い出したりしながら
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