よこしまなにじ/小川 葉
 



立ちションしてたら
虹がでた

手のひらで
掴もうとした
おしっこが終わるまで
何度も何度も

隣の姉さんが
バス停を降りるのが見えた
高校生になっていた
おしっこが止まった
その辺りにも虹がでた
私は身震いして
その方へ手をさしのべた

手のひらで
掴もうとした
あれからおしっこするたびに
初恋を
思い出している


戻る   Point(8)