その兆候に気付く者はいないでもなかった。/オノ
「真面目にやってる人を馬鹿にしてんのか!」
真面目そうな奴が叫んだ。
俺はもっと大きな声で答えた。
「違う!これは不真面目なやつを励ましてるんだ!
真面目じゃなきゃ励まされる資格もないのか?
俺は、不真面目だけど人を傷つけないように、必死に生きてる奴を応援してんだ!」
刹那、鋭い爪のようなもので何者かが藤森の体を裂いた。
藤森の体は真っ二つに割れ、中から全身黒タイツの痩せこけた男が現れた。
「グワハハハ!我こそは悪魔を司る悪魔神イザヤールである!」
男は高らかに笑いながら窓に足をかけ、姿を消した。
「こ、ここ4階だぞ!?」
生徒会長の室岡が叫びながら駆け寄った。
やれやれ、2学期も先が思いやられる。
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