スライドアウト/
ねことら
みえるもの
触れるもの
ゆれるもの
遺された体温が、シーツの
皺にまぎれ
薄くひかっていた
指で掬って、軽く混ぜて
水の匂いのような
ものと遊びながら
何枚も、傷を
こうかんしていく
しろいとかげと笑う月
裸足、研いだ紙と
むさんその王国
エア
鉄塔の細い影が、低く折れ曲がり、部屋に延びた
うつくしいものに
磔に、されてしまう
遠くのおんがく
蛾の羽ばたきかた、と燃やしかた
世界は対称で構わない
きみが、どのように壊れても
探しにいく
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