夜の苦味/朧月
 
グレープフルーツは嫌いだ
皮をむくのも 半分にして食べるのも
じょうずじゃないから
取り切れない実を見ていると
罪悪感で目が細くなる

なのに夜に飲んでいる
コップの中にジュースとして入っている
苦味が今日の後悔と重なる

決して許してくれる薬の効果など
ないはずなのにひとくちの
流れる液体の通過で
苦いもの全てが流れる

少しでもよかれとする善のよに
カラダへと送る信号は
過ちばかりで下がってゆく
気持ちを起こしてと願って

君の方を向いてそっと
おやすみとつぶやいてみる
明日一番に言いたくなる
朝日の色を君に


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