バスタブタスバ/さわ田マヨネ
 
反響している>拍手はおめでとうという意味だったが <壁と壁を行き来して >徐々に薄まりもう残っていない <うすくしろいバスタブ >詮をぬくと水がつつぬけていく <逆方向  >ずぼずぼと音をたてる <反響している> 穴の奥からしばらく聞こえる 耳の器官< 汚れ物がバスタブに残る <シャワーで流してやる <ザーという音  聴こえる>>夕暮れ< 米を研ぎはじめる>(もうずっと続いている) 生活> すり減ってゆく<ザーという音 >雨粒が川におちて波紋を呼んだ <薄まりもした ありがとうという言葉があった>>朝< やけたたけやぶの上を蝶が一直線にとぶ >ザーという  水が張られていく >水中でダンスする  流しきれなかった鱗に光があたりきらきらしている 形跡>拍手は上空から 伝えられなかった>ザーという 中で泡がはじける  ザーという  拍手は上空から  >たくさんの八分休符になってゆく 

戻る   Point(2)