無題/
三上あず
柔らかいものをずっと
柔らかいままで残すためには
何が必要かなんてわからない
綺麗なものはきっと
綺麗なままではいられないのだと
そう思った
ただ そう思った
どんなに閉じ込めて
封をして
鍵をかけて
隠して
そうして忘れてしまっても
思い出した時には
どこから入り込んだのか埃にまみれている
悲しくはない
ただ少し ほんの少し寂しいだけ
寂しいだけ
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