何も考えずに済む/静かな日々が待っている/kauzak
何も考えずに済む 静かな日々が待っている
それが望んでいたこと 筈だった
月明かりの下を歩く 潮騒が流れ込む
満たされた音を抱え 胸の奥に滴る情動を
なぞるように揺れる
木漏れ日が翻る
夏に向かう季節 陰影も濃くなるから
君の面影を探す
イメージの洪水の中で
色彩だけが鮮やかで 見失ってしまう
ここにあることを ここに居る意味を
解らないままに
ただ走り続ける 意義を認めずに
どこまでもあてもなく
頭上で光る月 夜の静寂に響く幼き歌声
世界を切り取る
出鱈目な文字で
何処へ流れるのか知らず 何も期待せず
それでも進んでいく 奇跡を信じるように
行く先が虚無としても 地平線の彼方へ
※連なるだけの言葉シリーズ
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