【連詩】 半身/古月
、
(口だけを)動かして
(余韻)
いない、
と言ってみる
誰かの声が塞がった
後にはまた、
繰り返し流れ言う
いない、
音階はながれ (るる、)
ない、
い (る、)
ない、
(る、)
いない、
いなくな、る、律音
に、羽根は肌を離れている (静寂)
それ、にさわる
たましいのけがれのそこで
なおひかる あか、みどり、それから
眼窩のかたさ 手ざわり、の
角
極彩色、の、
あのこ、は、わたし
、の、影絵、影絵、影絵、
ぐるぐる回る走馬燈
めくられた背中を貼りなおす
鬼はもう、いない、から
出ておいで
手まねきする腕はどこまでも
追いかけてくる
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