In hoc apparuit caritas dei in nobis etc./一 二
目覚めぬ永久の眠り。
しかし、この眠りは、何かは判らない光で、女の子を包みこみ、
それは女の子が、天の子であることを証しているのだ…。
おお!妹を悼み、兄はどんなに涙にくれたことか。
愛しい妹の墓を、どれほどの滴る涙で濡らしたことか。
だが、彼がある日、愛する妹のいない苦しみにもがきながら、
独りきりの部屋でつらい眠りについたとき。
天の薔薇色の敷居から、
一人の小さな天使が現れて。
嬉しそうに優しく「おにいちゃん!」と呼ぶ。
兄は驚き、そして泣きながら笑みを浮かべる。心からの喜びを。
…目が醒めた兄はまた泣いた。妹を想って。愛するひとを想って。
…と、風に吹かれて窓が開く。月明かりが清らかに部屋一面に広がって。
静かな大気の中を滑り降りるように、
小さな天使が雪白の翼を羽ばたかせて舞い降りる。
天使は驚嘆した兄の元に降り立ち、
兄の優しい唇に、自分の神々しく清らかな唇を重ね合わせる……
兄は妹を抱きしめ、妹は兄を光で包みこんだ。
光は、優しく世界を抱きしめていく…。
光はその翼に癒しを有す。
愛も、また然り。
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