体温/朧月
たくさんの曖昧が並んでる
夏のそらの曖昧
地上のひまわりの中に
整然と並んだ種
の黒は太陽の染み
子供たちの汗の
光りに目がくらむ
私の記憶の中の私が呼ぶ声
驚愕という字の画数が知らせる表情
真似られないフェイス
共有したいのは人類学
遥か昔
という言葉からはじまる物語の
中に私たちはいるの
くりかえすことが
偶然でも当然でもないのに
みたことのある風景の外へは出られない
人工の風に巻かれながら
生身の
かどうかをふと確かめたくて
自分の胸に手を入れる
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