なりたい自分/寒雪
 


僕の目の前で
新しい太陽が産声を上げる
またこの土地で
新しい一年が無事に始まることが嬉しい


昨日
ボーリングしていた井戸から
やっと水が溢れてきたよ
新鮮な真水を
無邪気になって浴びるみんなを見ていたら
水に触ってない僕の心も
なんだか洗ったように清々しくて
いつまでも頬がゆるんでた


その日はみんな夜更けまで
振舞い酒で酔っ払って
それまでの辛いことを労って
本当に楽しい宴席だったよ


出発の日に
悲しげな顔で
なぜあなたなの?
と問いかけてきたあなたの声を
今でも静かな夜の帳の中で
ふと思い出すことがある


別に僕
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