怪人ジャガイモ男、正午の血闘(Mr.チャボ、少年よ大志を抱け)/角田寿星
かりんとう一袋を手土産に
Mr.チャボ宅に駆けつけた時には
怪人ジャガイモ男 愛称ジャガヲくんは
すでに卓袱台をはさんでチャボさんと差し向かいで
「こんな世の中 守る価値があるんですか」
まっすぐな瞳で問い詰めていた
台所ではことことと
カレーのいいにおいがしている
チャボさんは無言のまま
ジャガヲくんの真意が図りかねるふうで
腕組みしてジャガヲくんの瞳を覗き込んでた
「やあ 戦闘員A氏」
チャボさんが瞳をそのまま移してぼくを見つめる
ぼくは座りチャボさんはお茶を入れぼくはかりんとうの袋を開けふたり同時にかりんとうをつまみぽりぽりと食べはじめる ぽりぽりぽ
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