傷ついたレコード/うずら豆
 
蔦に覆われた墓石
此処は僕が眠る場所
あの日殺した僕の心が

全ての鎧を剥ぎ取られ
めったやたらに切りつけられた
悪魔の形相で

あまりに恐ろしくて
あまりに痛くて
何も感じないように

僕は僕の心を殺した

心のない僕は
夢を見ることも無く
傷だらけの体は
工業ロボットにもなれず

使われなくなった煙突みたいに
ぼんやり佇むだけだった

よかったのだろうか
心を殺して
よかったのだろうか

針飛びするレコードみたいに
自らに同じ問いを繰り返す

永遠に答のでない
見ることのなかった未来

そこでは幸せがあったのだろうか

少しの希望と少しの後悔
僕のレコードは
あの日から先に進まず
呪詛のように問い続ける

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