あなたのことをもう忘れそうなの/Mかわ
あなたのことをもう忘れそうなの
募らない思いを抱えた毎日
繰り返す度そういう風にさせてしまう
あなたのことを見ることすら出来なくなった目は
あなたの声を聞くことすら出来なくなった耳は
あなたの髪を触れることすら出来なくなった手は
ただただ
わたしにしがみついて
いつもの日常に戻ったことが
こんなにもわたしを安堵させ
あなたを失ったのに不幸せですらいられないことに苛立ちを覚えて
あまり泣かなくて済んだのは誰のおかげなんだろうかと
不実な実をかじってばかりで
あなたの冷たいけれど優しい瞳が
あなたの低すぎない震える声が
あなたのさらさらと揺れる髪が
ただただ
好きだったけれど
あなたのことをもう忘れそうなの
わたしにはそれが怖いの
戻る 編 削 Point(1)