過激詩 「草」/ソラノツバキ
 
増えていく 母親草(グサ) 父親草(グサ)
     友だち草(グサ) 恋人草(グサ)
どぶ川の草(グサ)

高校生の少女はまだ
規制されていたので
母親草(グサ)を摘んでしまったけど
引っこ抜いた草の根っこは
きれいだったかもしれない

そんな事件から
時が経って
報道が終わると
すべてが終わった錯覚に陥る

信号無視をするおじさんは
子どもがいるのかな
家に帰ったら
何事もなく奥さんを愛すのかな

母親草(グサ)もあの少女も
この社会という土で育ったってこと
みんな忘れてやしないかな

増えていく 母親草(グサ) 父親草(グサ)
     友だち草(グサ) 恋人草(グサ)
どぶ川の草(グサ)

=======================

*ルビついているのは「グサ」です。
どうも読みづらいと思うので一応。
戻る   Point(1)