散在しつづけるきざはし/豊島ケイトウ
 
まなければならないことだってある。

 勿論、
 いい意味で階段は愚痴る、
 ある日世界に対して。

 (薄い希求の建前で妬むものみな)

 溺愛の上で敷いた生地のようにこれがメインディッシュだとしたら、
 どんなに、
 どんなに映像的で美しい述懐だろう。

 つまびらかとでも叫びたい憂愁の季節へ服を脱ぎ捨てる方法しかないのだ、
 もう。

 きざはしの頂に午睡を馳せる前にやらなければならない不自由が台頭している。

 いいかげんわからず屋に押しつけるために標榜の足指として後片付けはヒッピーにやらせた方がいい、
 言いたいことをよく練り上げていつでもきざはしに微笑む出来映えを想像する方がいい。

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