清らかなパン/ふるる
 
音域が広がりすぎて小人出る


テルミンのように触れずに奏でられ


真昼の留守宅コップは端へ端へ


また祖母に会えそう異国の逢魔時


109スカートだけが濡れてない


大皿をひたすら撫でる仕事です


家と森焼いたばかりのフランスパン


なんとなく蒼ざめてゆく空と馬


雪の朝全裸でプリン食べて泣く


鬼の子の清らかなパン預けられ


客ひとり百年ごとの星祭り



   散ってゆくはやぶさ瞳は見開かれ


   はやぶさのカプセル冷えて星の傷


   燃えながら猛禽類のゆめをみた

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