天空的教室 /かいぶつ
を感受し一斉に飛び立つ鳥の姿のように
一か月前から欠席している生徒の
机と椅子
教室から少し離れて漂流しているそれは、暗く、儚げですが
あの子はきっと引き出しの奥に
僕らの知らない真っ白な海を広げて
一途な息継ぎをしていることでしょう。
僕らは今、逆光で
目をつむらずにはいられないのです
美しく散る桜も見過ごしてしまうのでしょう、か。
通りから、下校する小学生の声が聞こえる
音楽室のカーテンが揺れている
雲はもう、あんな所まで流れてしまって
草をすりつぶした指先がとても青臭く
僕はそれをとなりに座るだれかに
伝えようとした。
戻る 編 削 Point(1)