会話で起きたこと/プテラノドン
 
彼にその一件を報告すると、驚いて携帯をベッドの隙間に落としてしまった。
「どうしたの?」と隣で裸で寝そべる女は言った。
「女の娘?」と嘯く彼女を彼は無視しして、さっさと服を着ろといい、
これから酒を飲みに行くぞと、ホテルを出て行く。
5分も歩けば居酒屋に着くのだが、たまらず彼は、コンビニに寄って
ビールを買って飲みながら歩いた。夜風はぬるかったので
しみったれるのには不向きだった。彼は伸ばし放題の髪の毛をきつく縛った。
彼女はその姿が好きだ。空き缶は店先のゴミ箱に放り投げた。
呼び込みの店員はしかめ面をして、鼻をくんくんさせて自分独自の
薬物検査をした。そいつには、友人の頭で起き
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