雨垂れる黙祷/水川史生
 


鳴いているのをなぞる 明く前の叙情が揺れる
引き攣れる痛みで撫ぜられる 辿るまで祈るような流れを
あなたの哀傷を抱いては 震えるようだから

あなた

横たえる身体が ゆるり 静けさに変わって あなた
自由な情景で待っている 冷たさを奏するその手で
帰るんだ 浮かぶいくつもに叶えている
垂直に飽く寝室で 微睡みながら

外枠がしとやかに濡れている
指先から失われていくように わたし 沈んで
さよなら

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