プチ・テロリズム/小川 葉
かえり道
コンビニに寄る
誰もいない
レジの奥で
店長が眠ってる
そのことは知っている
私は万引きせずに
発泡酒ではない
ビールを二本買う
おーい
店長を呼ぶ
どうせ誰も来ないんだからさ
店長と酒盛りする
肴は店にたくさんある
かたっぱしから開けていく
こんな店
ぶっ壊してしまおうぜ
店長が言う
私も調子にのって
爆弾買ってくるぜ
どこで
コンビニで
宴は最高潮にたっする
その時に
チャイムが鳴る
いらっしゃいませこんばんは
店長
もう朝なんだよ
女子高生が
消しゴムを買っていく
お釣りをまちがえて
もういいと
私が払う
謎のコンビニ
私たちは謎だらけだ
いったいいつから
人はこんなに
おかしくなったのか
私の記憶では
このへんに
コンビニができてからだと
眠らないまま店長は
今日も命を続行する
ただ今バイト募集中
なのだとか
私はすこし寝て
昼過ぎに出社することにする
爆弾はまだ買ってない
コンビニに
まだ売ってないから
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