蒼春/寒雪
若かった頃僕らは
いつも僕の部屋で
無駄話をしながら
雑誌を読みながら
やがて訪れる未来を
熱にうなされるがまま
夜が明けるまで
語り合っていた
若かった頃僕らは
どこに行くのも一緒で
楽しいことも
大変なことも
辛いことも
泣きたいことも
みんなみんな
僕ら二人で分かち合った
何をしてもやり直せたはずの
あの頃
僕らは
僕らの夢を信じてた
空だって飛べる
いや
宇宙にだって行ける
他人には
笑い話に違いない
でも
その時の僕らは
本気だった
高校の裏山で僕ら二人
ポケットウィスキーを
回し飲みしながら
[次のページ]
戻る 編 削 Point(1)