Patch Work #1/瑠王
 
私達は風景を食べている
そしてもうひとつの地球のような
そんな世界を造りその上を歩いている
しかしそれはとても、とても小さい

幾つもある小さいを繋いでみようと試みるが
誰も縫い目ひとつになれやしない
たとえ千里眼であっても
そこに座ったまま眺めているだけ

私達は風景を食べている
そしてもうひとりの自分のような
そんな人間を造り営んでいる
しかしそれはとても、とても小さい

悲しみの後に苦しみはきた
そのさらに後でようやく
幸福らしきものがやってきたけど
そのどれもが炎にすぎなかった

消えてしまえばそこには闇があるだけ
最早、誰も紡ぐ必要もないほどひと連なりの中で
誰も縫い目ひとつにもなれやしない
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