夏待ち恋心/瑠音
 

夏待ち恋心

*

騒がしく過ぎる6月の終わり
ふと読み返した君からのメール
聞いて?
もう
泣かなくてよかった

君の居ない3回目の夏を
君と過ごした場所で過ごすことにしました
もしかすると思い出に泣いたり
苦しくなったりするのかもしれないけれど
きっともう
痛みはないと思うんです
君への恋心は最後のひとかけら
あの町の緩やかな太陽ですら
簡単に溶かしてしまうでしょう

時間を かけて

焦げ付きそうだった気持ちは火加減を覚え
パンクを待っていた気持ちは空気穴を見つけ
そして君の笑顔は
心に張り付いたまま
薄まっていきました

あの時終わったのが恋なら
燻るかけらはきっと愛
きっと消えてしまうか
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