1001日目の夜/
寒雪
リノリウムの壁
見えない満天の星を眺め
手の届かない彼女のことを考えた
最後に会った日
彼女は家に帰る途中で
ひどく暑かったことを覚えている
笑わない彼女
瞳の奥底に佇む光に
狂おしいまでの憎悪と哀惜が
彼女には時間が足りなかった
彼女は
辿り着けたのだろうか
1001日目の夜に
涙がひとすじ
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