渋柿のような岩石の顔を持つ男/R.F.
 
渋柿のような岩石の顔を持つ男。
そのまなこは蛙卵のように美しく透き通り、
その中心には黒い黒い玉がある。

渋柿のような岩石の顔を持つ男。
その文明の一切を否定した声は、
原始の文化であり壁面を抉りとるような表現である。

渋柿のような岩石の顔を持つ男。
しかして、彼の両脇のプリアンプとパワーアンプが、
彼を怖ろしく純粋に増幅させる。

渋柿のような岩石の顔を持つ男。
その美醜は人間というより自然。
歪んだ直線ではなく、渦巻く一閃。
戻る   Point(1)