Hold You Tight/寒雪
 


十年後
きみは覚えていないだろうね
ぼくがこの腕の中に
ありったけの愛情を詰め込んで
きみを抱きしめていた
寒い冬の夜のこと
いつまでも続くはずだった道程が
突然消えて見えなくなって
苦しんで
やりきれなくて胸を焦がして
それでもきみを愛さずにはいられなくて


こんなにも愛しいのに
きみのぬくもりが
こんなにもこんなにも
思えば思うほど
瞳から溢れる涙がこらえられなくて


もしいるのなら神様
少しだけでいいから
時間をください
きみがぼくの思いを忘れないよう
懸命に懸命に
きみの体に刻み込むため
より多くの時間をください


寝息を立てるきみは
やっぱり
ぼくのことを忘れてしまうんだろう
それでも
愛さずにはいられないから
ぼくは
涙をこらえながら
きみを抱きしめる

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