≠/水川史生
鉄屑が降り続くから傘をさす。
Headphoneから流れる音楽に陶酔、している、ゆらゆらと。
正しさを祈りながら、リズムの上を歩いている。それが安定しない直線の歪みであっても、悲しくはなかったからずっと、レインコートをひらめかせて歩いている。Volumeを少しだけあげて、横断歩道の白さを裏返しにしてしまわないように。いつだって夜に代わる前の世界は優しくて、痛かった。さしずめわたしは少女、だったでしょう。青く濡れた月が、空を抱いている。それをあなたは見ただろうか。
点滅をなぞって壊れてしまわないように、Music、ありきたりなPhrase、満たされた影が沈んで消える。
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