家族島/小川 葉
 
 
 
真夜中帰宅して
玄関の戸を開けると
一面の海だった
私は港にある船に乗って
家族をさがしに海に出た
息子が見つかった
ウミガメに乗って
竜宮城に行く途中だった
お土産の箱を開けてはならないことは
知っていたらしく
私にも教えてくれた
妻が見つかったのは
もう明け方近く三日月が沈む地平線の辺りで
手を伸ばしてみると
意外にかんたんに届くのだった
地平線は地面に触れるみたいにざらざらしていて
そのなかにやわらかな手触りの
妻の手を見つけた
あともう一人
さがさなければならない気がしたけれど
妹ってなに、と息子が質問するので
私はできるだけ子供にもわ
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