詩人が言葉をさがしている/
寅午
荒地のなかでみつけた言葉
言葉はかれのなかで炎となって燃える
その輝きに
闇はかれの足もとから一瞬遠のく
かれは炎をみつめ
ひとときあたたかい心をとりもどす
やがて炎は消える
しだいに細くなる炎をみつめながら
忍び寄る闇に身をふるわせ
かれは思う、
またあたらしい言葉をさがしに
道しるべのない荒地へ旅立たねば、と。
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