円の外/ベルヤ
 




追いかけて
腹の底から叫ぶ


不似合いな湖面に鮮やかな月のひかりが
さざ波としてりらりらと受けとめ



くれたからとけあおうと 
小さな魚が沈黙の藻が抱いている
冷静なはじめからの
彼らに渦巻きなどしないで
優しくゆゆゆと月を隠す雲をみつづけ

風のそこ

吠え
つかもうとして



頭の上から目の前へと降りてくる
ひとっこひとりいない闇の湖面に映る
手の届くみえない温もり
とろりはいってしまうひとの恵みへ
ありがとうとうとうととやすらぎの確か

追いついて掴んで


駆け上がったり駆け下りたりする
不似合いな決心を
とけあおうとくれたから
はじめからの冷静な
彼らに響きなど確実にとうとうと
おおらかに走りだし月の円を描く

現実を

生まれたばかりの未来





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