マトリョーシュカ/月音
 

夢の中で

君の腰骨のラインを 指先でなぞる

なめらかな稜線で

硬質なものに触れそうで 触れない

表層を

すべる すべる すべる

光源の分からない 薄明かりの中

さっきまでの営みが

深層だったのかと 思ってはみるが

それは ああ

そういうものなのだ と

咀嚼しきれない 紙のようで


目が覚める

ふと 見上げた窓に 月が浮かぶ

ああ そうか

リフレクション

さっきまでの 薄明かりのわけ

反響する

鏡のように

これが 深層

つながっている ずっと


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