Judas/カナリア
っておくが俺は貴様には想像もつかないくらい素晴らしい生活をしてた
茨の冠がなんだって?
俺にはささやかな自由といくらかの金があった
それを貴様は哀れみの眼で見やがった
金と自由があれば俺はそれで満足出来てた
そんな俺を貴様はその眼で哀れみやがった
君が俺を見るたびに俺は頭がおかしくなりそうだ
これを何ていうか貴様は知らないだろう
だから俺は貴様を売ってやったんだ
俺に地獄の苦しみを与えて涼しい顔をする貴様に
苦悩を与えてやることにしたんだ
苦悩のない聖人なんて俺は認めない
だから俺は貴様を売ってや
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