大好きな詩人を紹介してみます 「北園克衛」/非在の虹
骨
その絶望
の
砂
の
把手
穴
のある
石
の胸
あるひは穴
のある
石
の腕
「夜の要素」の冒頭の二連です。
この奇妙な形式の詩の作者は北園克衛(きたその かつえ)。
以前に書いたように、安西冬衛を知った、中公文庫版『日本の詩歌』第二十五巻で出会ったのです。
その本は、竹中郁、春山行夫、北川冬彦など、いわゆる昭和モダニズムの詩人を集めたもので、なかでもぼくが気に入ったのは安西と北園だったわけです。
ご覧のように文字が文字としてただ置かれたようなページ。
タイポグラフィーの要素を含んだ作品は、ほかの詩人のもので見たことがあったのです
[次のページ]
戻る 編 削 Point(10)