幽霊のひもの/
岡部淳太郎
ものだよ。懐かしい
なあ。でも、こんな思い出もぜん
ぶ私の中に水としてたまっていっ
たから、その水を乾かしてしまえ
ば、思い出もなくなってしまうの
だけれど。それ(幽霊)はひとり
で勝手にしゃべりつづけたので、
僕(子供)はちょっとあきれて飽
きてきてしまいました。ところで、
君はどうして僕が逆上がりができ
ないことを知っているの。君みた
いな変に白くて薄っぺらいふとん
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