幽霊のひもの/
岡部淳太郎
ばいけないんだよ。そんなものか
ね。僕(子供)はやや大人びた口
調で、小さなお母さんみたいな声
のそれ(幽霊)に答えました。私
はこうやって自分を乾かしながら、
ひものみたいなものになってしま
いたいんだよ。私が生きていた時
の人間の姿を失って白いふとんみ
たいな薄っぺらいものになれたか
らには、あとはもう水を
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