幽霊のひもの/岡部淳太郎
 
なっ
               てゆくのかもしれないなと、思い
               ました。空は晴れていました。そ
               れはもう、実にみごとに晴れわた
               っていました。鉄棒の白くて薄い
               ふとんみたいなものがぶら下がっ
               ているところの地面は泥んこにな
               っていて、そこで靴を汚しながら、
               みんな淋しく大きなものになって
               ゆくんだなと、思いました。いつ
         
[次のページ]
[グループ]
戻る   Point(20)