マネキン/やや
 
ベッドの上に、君の腕を
ケースから出して一緒に眠る
腕を組んで、胸に抱いて
手を繋ぐのが一番しっくり
年中暑がりだったから
サーモグラフィ、君だけ赤色

翌朝起きたら、寝ぼけたままでも
君の頭を取りだしキスする
愛が何だか分からない
お母様にも聞きそびれたまま
短いくせ毛をくしゃくしゃ撫でたら
眠ったまんまで小さく唸った

毎晩ご飯を食べた後
君の胸を出し耳を押し付ける
鼓動は時計にはなれない
君の心臓はゆっくり強く
とん、とん、とんとんとんとん
時間と私に刻印を押す

愛がなんだか
愛てなんだろう
愛はなんですか
分からない

ケースを開いて
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