蝶をみる夢/ベルヤ
検問で氏と所在を訊かれ
タクシーを降りあなたのところへ歩いた
白い蝶がうれしそうに僕にまとわりついて舞う
ふっと、あなたを思った。
はなの季節の狭間に整えられた樹木の枝葉
みどりとすこしのあおぞらそしてしろのくも
ほんとうは今日なんだ
ほんとうは午前零時の前なんだ
機械もゼロを告げたから
波動の小刻みなうつくしさに
誰も触れないで看まもる静かな部屋で
ひんやりとした床が天井の灯りを映し
桜は見事だったでしょ、ツツジも咲きほこって
いまはまばらなはなのさみしさにごめんなさい
この曜日は誰もいないって思ったから
四時起きで始
[次のページ]
戻る 編 削 Point(3)