忘却/
乱太郎
忘れてしまった
君の声は
天使の羽根になって
触れたはずの
君の髪は
星空をすうと流れて
あの頃の時間は
ガラスの破片となって
静かに波の音だけが聞こえてくる
会うことは
もうないだろう
僕はいま
たぶん君ではない天使の膝上で
眠りについている
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