気になる季節/藪木二郎
ェーンの会議室を借りて
会うことになった
会議室といっても例の
衝立てで仕切られただけの席で
一時間早く着いたはずなのに
曇りガラスの向こうに影
彼女の深々としたお辞儀は
なんとなく社長秘書みたいな感じで
だが向かい合って席に着くと
ああそういえば自然に僕のほうが上座
彼女は単刀直入に言った
最初のうちは面白がんのよ
どいつもこいつも
男ってみんな
馬鹿ね
安藤君に聴いたんだけどって
そんなひととも
もうこれで五人目
嫌なら普通にシャワー浴びるよって
そんなことを聴いてみたり
あるいは黙ってそうしてみた
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