気になる季節/藪木二郎
それが気になり出すような季節に
彼女はあえて
メールを送って来た
一日一通だったけれど
それがすでに
一ヶ月弱続いていた
写真つきのメールもあった
顎がちょっとしゃくれた感じだが
童貞新人の理想のボス
といった感じ
まあぎりぎりのところで
微妙なバランスを獲得しているだろう
それに関しては
きっと彼女も自信があるのだ
原因は分かっていた
安藤だ
僕の先輩に
ちょっと変わった趣味のひとがいてね
とか
言いやがったのだろう
きっかり一ヵ月後の今月二日
僕は自分のブサ面写真を
返信した
喫茶店チェー
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