空色の損、ソーダ水/あ。
 
噛み付いた歯の先から、刺激


微笑みの国タイランド
とにかくひどく蒸し暑くて
立っているだけで背中を汗がつたう
ホテルの側で借りた自転車には
鹿児島県の防犯登録証が張り付いていた


アユタヤ
埃っぽい大きな道の両側には
同じような形の遺跡が延々と続き
風景を動かすには
わたしはあまりにも小さく
自転車はあまりにも非力だった


よく知っているコンビニの看板が見えたのは
ティーシャツが汗を吸いすぎて重くなり始めた頃
大きな7の数字が赤く光っている
ペプシコーラは高かったので
見たこともないソーダ水を一本買った


店を出るとすぐにふたを開ける

[次のページ]
戻る   Point(14)