海の声/遊僕民
心の砂浜に寄せる青い約束
ざらついた海の声が胸を掻き撫でる
打ち上げられた思い出はどれもしょっぱくて
あなたはその薄闇に一人佇んでいる
儚いあなたの声が海に浚われてゆく
途切れない波風が永久に僕を揺らすよ
海の声は僕の隙間に響いて
磯の香り鼻の奥をつついた
僕らがまた出会う遥かな時代へ
波は続く世界を揺らしながら
心の暗闇に青く光るあの日々
ざらついた海の声がどこか心地よく
生まれたての思い出が深く沈んでゆく
僕らはその宵闇に紛れまどろんでいる
切ない二人の声が海に覆われていく
二度とない瞬間を深く奥に刻むよ
海の声はあなたの中に響いて
閉ざされた心の扉叩いた
終わりを繰り返したゆたう世界で
波は続く未来をこぼしながら
僕らがまた出会う遥かな時代へ
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