ドッヂボール/izumi
ぼくは苦手、ドッヂボール。
本当は大大大嫌いだけど、それを友達が知ったら
ぼくは次の休み時間から一人ぼっちで図書館行きが決定する。
ぼくは それが こわい。
人にボールをぶつけて何が楽しいの?
どうして笑えるの?
君の投げたボールが、もしかしたら
ぼくの気になる女の子の顔に当たるかもしれないよ。
そんなことがあったら、ぼくは君と絶交だから。
ぼくは、だいたい当てられる。それはまるで決まっていたことのように。
ぼくも、それでいいんだ。
オニのような顔で、ぼくたちを睨んでる。
クラスメイトなのに。お昼も一緒に食べるのに。毎日一緒に帰るのに。
ドッヂボールの時間だけ、みんなはみんなじゃなくなるんだ。
ほら、隣でキャッチボールをしているよ。
みんなは見るヒマもないだろうけど。
楽しそうだよ。ぼくも、そっちに入りたいよう。
ぼくは今、地獄にいるんだ。
隣は天国。
イテテ。横向いてたら、当てられた。
笑ってる。ガッツポーズして。
ぼくも天国に行きたいと、次こそは言ってみたい。
10.2.13
戻る 編 削 Point(2)