全手動一行物語(81〜90)/クローバー
81
棚の上に置かれた卵の装飾から産まれたカッコウのひなは、早速、置き時計を下に落とした。
82
あなたは、私の中から一回り小さい私を取り出し、その中からまた一回り小さい私を取り出し、を繰り返した。
83
獏が夢を見ないと言いはるのは、食い意地はっていると思われたくないから。
84
配達に来た団地の重い金属製の扉を開けると、ピザ屋の制服を着た男が立っていて、当たり前のように、料金を請求してくる。
85
詩人が、愛を伝えようと三日三晩悩んで書いた手紙は、一つの症例として学会に取り上げられた。
86
盗賊は、この屋敷に丈夫で大きな箱があると言う噂を聞いて、それだけ大事な中身なら、盗み出してや
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