どうようをうたっている/紀ノ川つかさ
こんなおとなに
なるはずではなかった
きょうもどうようを
うたっている
こどもたちはためらいなく
じゆうにものをうみだせる
おとなであるおまえはもう
だれかのまねしかできない
だれかのそんなこえがして
ぼくはまいにちうろたえている
きょうもどうようを
うたっている
わがこがてれびひーろーのうたを
うたってくれという
そこにはきせつもやさしさもなく
せいぎとあくがあるだけだ
そんなうたは
うたいたくない
できればぼくがうみだした
うたをきかせたい
それができればそれができれば
ああなぜそれがなぜできなくなったか
きょうもどうようを
うたっている
きょうもどうようを
うたっている
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